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夢の原点。「南十字星」

一生に一度は見ておきたいものは?
ブログネタ:一生に一度は見ておきたいものは?
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ずっと忘れられない言葉がある。
亡くなったおじいちゃんが幼かった私に言ってくれたこと。
「るな、おじいさんは南十字星を見たことがあるんや。
おじいさんが戦争で、船に乗ってたって言うたやろ。
その時になぁ、いつ死ぬんやろう、こんなとこまで来てもうて死んだら
もう日本に帰られへんなぁと思って、甲板で空を見てたんや。
そしたらなぁ、日本で見られへん南十字星がきれいに見えてなぁ。
日本で見られへん星を見れたから、もうええかって思ったんや。
でも、日本に帰って来れてよかった。
るな言う、可愛い孫に逢えたもんなぁ。」
おじいちゃんは星が好きやった。
その時の体験からかも知れない。
私に当時高級品であった、天体望遠鏡を買ってくれた。
それでおじいちゃんと一緒に夜空を見るのが大好きだった。
私に買ってくれた本で一番高かったのは、宇宙の図鑑。
私が使わなくなったら、自分の本棚に入れてずっと大事にしていた。
「おじいちゃん、南十字星ってきれいやったんやろ?
なんで日本で見られへんの?」
と聞いたら、何やら難しい説明をしてくれた後、
「るなが大きくなったら、おじいさん、るなに南十字星を見せてやるからな。」
と言って、大きな手で私の頭を撫でてくれた。
「絶対やで?」
と言ったら
「よっしゃ!」
と笑ってた。
その「絶対」は叶えられることはなかった。
もうおじいちゃんが逝って、12年になる。
めちゃめちゃ頭がよかったおじいちゃん。
背が高くて、手が大きかったおじいちゃん。
時々、変な「るなが大好き」という歌を作って歌っていたおじいちゃん。
「るなは頭がええ。赤ちゃんの時からそうやった。」
「るなは絵がうまいなぁ。」
「るなは文を書くのがうまいから、物書きになれるぞ。
そうしたら、おじいさんがるなの本この部屋いっぱいになるくらい買ってやるからな。」
そう言って、ほめて、ほめて、ほめまくってくれた大好きなおじいちゃん。
時々、無性に逢いたくなる。
なぁ、おじいちゃん。
南十字星、おじいちゃんと一緒に見ることは出来へんかったけど、
私、絶対あの世でおじいちゃんに「見てきたでぇ♪」って言いたいねん。
一緒に行きたい人がおるねん。
一緒に南十字星見たいねん。
いつになるか分からんけど、おじいちゃんと叶えられへんかったこと
今度は絶対叶えたいねん。
せやから見ててや。
もし、コケてたら「しゃぁないやっちゃなぁ。」言うて
あの時みたいに、頭撫でてな~。
私、おじいちゃんの血入ってるもんな。
頑張るで。
あの世で逢うとき、おじいちゃんにいっぱい話しするから聞いてなぁ。
おじいちゃんの笑ったときに目尻にいっぱい出来るしわしわ、
いっぱい作って聞いてなぁ。
双葉 私の夢の原点はおじいちゃんがいつも
   言ってくれてた言葉の中にある。
   私がどんなでも
   私が私であることを
   ただ無条件に愛してくれたおじいちゃん。
   そんな想いは、いなくなってさらに大きくなっていく。

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