普段、PC浸け生活の私。
「書く」&「描く」のが仕事なので、五感を鈍らせたくないと思うものの、一定化した生活パターンでは感性も麻痺していくように思う。
そんな私が蘇るのは、生まれ故郷に帰ったときだな~と毎回実感する。
子供の頃に四季を通じて感じたものを、瞬間に思い出す感じ。
春には春の、夏には夏の、秋には秋の、冬には冬の、その季節にしか流れない風の匂いを感じる。
それぞれの季節に生まれる空気の中にある匂いが、風になって通って行く。
夜に外に出ると、「月明かり」がこんなに明るく夜の闇を照らすのかとちょっと感動したり、土を掘ると土の匂いがすることに感動したり。
ものすごく充実していて、毎日が幸せだと思っているはずでも、なにかが足りないとハッキリ認識する瞬間。
どんなにいい映画を観ても、どんなにいい本を読んでも、自分の感性が鈍っていたら響かない。
私の場合、感性を磨くために映画や本を観たり読んだりするのではなく、自分の感性を震わせるために観たり読んだりするのだなと。
そのための土台になる、自分の五感を形成するための経験をもっと積みたい、じゃないと、色々なことに震える感性に育たない・・・なんだか本当にそう思えた。
経験がなければ、夜を照らす灯りが月明かりなのか街灯の明かりなのか、区別がつかないだろうから。
昨日、父と娘と畑仕事を手伝っていて、ふと脳裏に浮かんだ言葉。
ジブリ映画「天空の城ラピュタ」の中のセリフ。
…『土に根をおろし、風と共に生きよう。種と共に冬を越え、鳥と共に春を歌おう。』
…どんなに恐ろしい武器を持っても、沢山の可愛そうなロボットを操っても、土から離れては生きられないのよ!
私の五感は、風と土と水と太陽と月で蘇る。私の中に流れるDNAが喜ぶ。
きっと太古から変わらず世にあったもの。
PCや携帯電話では与えてはくれない経験をさせてくれるもの。
・・・また乾く前に(笑)、ちょこちょこ帰ろう。