・・・ドラマみたいだと思った。
目の前にあるのは現実なのに、まるでドラマの中で見た光景みたいだった。
ついこの前、一緒にご飯を食べて
バカ話して笑いあって
またいつものように会えると信じて手を振った。
「バイバイ、またね」
またね、がなんでこんなところでなんだろう。
手術室から出てきた親友は、親友の姿をしていたけれど
知らない人みたいだった。
待っている間も、親友の姿を見たときも、これからの親友のことを聞かされたときも
何度も何度も涙が出そうになったけど、
隣で必死に耐えている親友のお母さんの前で泣けないと思った。
私が泣いたら、頑張っているお母さんが引きずられてしまう。
そう思ったら泣けなかった。
でも、お母さんが電話で泣きながら
「どうしてあの子だけ・・・代われるものなら、代わってやりたい」
と言っていた言葉を聞いたとき、我が子への想いが痛いほどシンクロして
胸が苦しくなった。
会わないときは全然会わない。
滅多に連絡もしない。
だけど、会えばいつも昨日からそこにいたように自然に笑いあえる関係。
15の頃からの私を知っている、かけがえのない親友。
どーでもいい話で真面目に議論したり、
一緒にいてもお互い全然違うことしていたり、
違う世界をお互い持っているけど
でも絶対変わらずそこにいてくれるんだって思ってた。
だけど、今日「絶対」なんてないんだって思い知った。
・・・それでも、今もまだ生きるために戦っている親友が
パッと目を開けて、この前と変わりない笑顔で笑いかけてくれると信じている。
15のときからいつもいて
当り前になってた。
本当に何でも言えるから
逆に何も言わなくても安心できた。
いつもかけがえのないものは
失いそうになって
こんなにも
こんなにも
大切だったのかと気付く。
今頑張ってるあんたのこと想って
祈るよ。
信じてるから。
今までも色々なこと乗り越えてきた、あんたの生命力を信じてるからね。