その言葉に、涙がボタボタと地面に落ちて、その涙のあとを見て唇を噛みしめた、あの記憶。
離婚して、パートでしか雇ってもらえなかった。
理由は「子供が小さいから」。
子供が熱を出したりしたとき、近くに見てくれる親がいないと分かると、ことごとく断られた。
それでも、働くと言えば、人に雇われる道しか考えられなかった。
「うちで働いたらいい」
そう言ってくれた人が神様に見えた。
ところが、あるときそう言ってくれた社長がこんな言葉を私に浴びせた。
「仕事するってことはな、子供を犠牲にするってことや。それが出来ないなら、仕事なんて辞めてしまえ!」
「お母さん」と私を見つめる、娘たちの幼い顔が頭の中でグルグルと回り
うつむいて止まらなくなった涙が床に落ちるのを、ただ見ていた。
「私は子供を犠牲にしたくない」
翌日、辞表を出した。
次もやっぱりパートだった。
そこの社長にもあるとき、ニヤニヤ笑いながら言われた言葉。
「お前らみたいなシングルマザーなんかな、使ってくれるようなとこほとんどないぞ。早く養ってくれる男見つけたほうがええんちゃうか?」
子供と幸せになるためには、こういう人に雇われていては無理なんだ。
そして、私は二度目の辞表を出す。
あの時、本気で「朝なんか来なければいいのに」と思って眠りについていた。
でも、今は違う。
仕事なんだか、楽しみなんだか分からない。
周りには笑顔の仲間たちがいる。
がけっぷちから這い上がるとき、確かに見えたものがある。
そして、がけっぷちで一番怖いことも見えた。
明後日、「女の本音全開シークレットセミナー」でお話させてもらいます。
お陰さまで満席となりました!ありがとうございます。